歌舞伎町
区役所通り交差点
知らない人はいないパリジェンヌ
ここで、どれだけの人が揉め事を起こしたことでしょう…
わたくしの本
に書いてあります。
第四章 極妻という生き方
本に書けなかったことをほんの少し・・
優しい極道が目の前で発砲
うちのお店で話が付かず、納得いかないHさんはチャカを持って来ました。
必死に止めたんですけどね…
いつもなら話の聞く人
この時ばかりは無理でした…。
聞く耳を持てない状況
パリジェンヌで、はじいたHさん
憎かった相手なのに当てませんでした…
弾が当たらないのではなく、当てない
ほぼ至近距離
最後はパトカーのドア窓でお別れ…
そのときの着物は白地に黒の墨絵
パリジェンヌの交差点には、不良(ヤクザ)と野次馬でいっぱいでした。
パトカーと覆面だけでも何十台
ギャラリーも200人は超してたでしょう…
中をかき分け、「どきなさいよ!
アンタ達、撃つわよ!」
そんなわたくしの手には扇子と携帯
もしもあの時、無理矢理にでも、わたくしがチャカを取り上げてたら…
ふと思う時がございます。
イケイケの性格なのに
何故そうしなかったのでしょう…
預かるから渡して。
それだけ言って、強引に取り上げることはしませんでした。
どちらにしても、ちがう場所でHさんは行動を起こしてたかもしれませんね。
普段は温厚で誰からも好かれるHさんでした。
相当悔しい思いをしたのでしょう。
我慢の限界
他所の組長から詳しい内容を聞きました。
殺めていなくとも、殺人と変わらないぐらいの長い懲役
何一つ言い訳しなかったのです。
全てを背負ったHさん
わたくしはずっと側にいたので、参考人として呼ばれ、調書を巻く事に…
迷惑を掛けたくない、申し訳ないという気持ちから、
余計なことは何一つ言わなかったようです。
男です。
極道はうたわない
極道は泣かない
Hさんからは今でも本部に手紙が来てるようです。
刑務所の中で手紙を待ってる人間がどれだけいることでしょう…
いざとなった時にわかります。
シャバにいるときは仲良くしていても、中に入ると途切れてしまう。
長い懲役の場合は特に…
寂しいものです。
待ってる女房や彼女が居なければ寂しいものです。
そんな中で、手紙のやり取りをしている者は深い絆で繋がってます。
堅気になった人間のほうが、一生懸命というか、思いやりが続くのかなと感じます。
性格もありますけどね。
今は懲役に行く時代ではないですからね。
昔とはちがいます。
若いうちは懲役へ行きなさい。
今行かなかったらいつ行くの!
中で舎弟を何人か作って帰って来なさい
あなたの器量だからね
そんなふうに若い衆に言ってた頃が懐かしい。
石原まい子
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