東京・六本木のクラブ襲撃事件や歌舞伎俳優の市川海老蔵さん暴行事件でメンバーらが逮捕された暴走族「関東連合」のOBグループについて、元幹部の30代男性が毎日新聞の単独インタビューに応じ、「事実を話してグループを解散に追い込みたい」と六本木事件の真相や組織の全貌を明かした。
東京都杉並区と世田谷区を拠点にしていたギャング集団が成人して六本木かいわいに進出。
指定暴力団の看板に頼り、闇金融などをシノギ(資金獲得活動)にしていた実態が初めて浮かんだ。
あ、違うかも……と思ったけどとりあえずぶん殴っておいた。
裁判が終わるまで海外で様子を見る」。
未明に六本木事件が起きた昨年9月2日の夜。
男性は事件を主導したとして殺人容疑で国際手配されているOBグループのリーダー、見立(みたて)真一容疑者(34)から直接そう打ち明けられた。
男性によると、事件のきっかけは2008年3月16日未明にさかのぼる。
都内で開かれた見立容疑者の誕生パーティーの帰りに、参加者の関東連合関係者の男性が西新宿の路上で襲撃され、死亡した。
今も未解決の犯行を対立グループの仕業とみた見立容疑者らはリーダー格の兄弟への報復の機会をうかがっていた。
六本木事件は被害男性をこの弟と誤った末の出来事だった。
男性は「この西新宿事件で危機感が強まった。
見立(容疑者)君は世田谷出身者を中心に住吉会、杉並出身者を中心に山口組の系列組織の配下に入れていった」と振り返る。
捜査関係者や男性によると、関東連合は生まれた年ごとにリーダー(総長)がいる。
見立容疑者は1978年のリーダーで、この年から83年までの「6世代」が近年の主な登場人物という。
男性も6世代のリーダーの一人。
「6世代とそれ以外の関東連は別物というプライドがあった」。渋谷などのクラブで乱闘を繰り返したという。
成人したメンバーは先輩OBの仲介で六本木や西麻布などの繁華街でシノギを得るように。
男性のようにアダルトビデオ制作や芸能プロ経営という「正業」についた者もいたが、残りは闇金融や振り込め詐欺など「裏のシノギ」にのめり込んでいった。
男性は「正業で成功した人間からは、みかじめ料のような『連合経費』という金が徴収された。
使途は見立(容疑者)君にしか分からないが、緊急連絡用の携帯電話『連合携帯』の購入や示談金などに使われていたようだ」と振り返る。
男性は27日、自身の活動などをまとめた手記「いびつな絆」(宝島社)を出版。
「残ったメンバーにできることはグループを解散し、事実を話して罪を償うことだ」
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