ラジオ番組や一人芝居の軽妙洒脱(しゃだつ)な語り口で親しまれた俳優でエッセイストの小沢昭一(おざわ・しょういち)さんが10日午前1時20分、東京都内の自宅で死去した。
83歳だった。東京都出身。葬儀は15日午前11時から東京都新宿区南元町19の2の千日谷会堂で。喪主は妻英子(えいこ)さん。
早大在学中に俳優座養成所に入所。その後映画界に進出し、「幕末太陽傳」「にあんちゃん」「豚と軍艦」などに出演、個性派として存在感を発揮した。
1975年に劇団「芸能座」を旗揚げ。
80年代には1人だけの劇団「しゃぼん玉座」を主宰し、故井上ひさしさんの作品を一人芝居で演じるなど、演劇活動に熱心に取り組んだ。
「唐来参和(とうらいさんな)」の上演回数は660回に上った。
73年にTBSラジオで放送がスタートした「小沢昭一の小沢昭一的こころ」は、味のある語りが人気を呼び、放送が現在まで続く人気番組に。
俳優、タレント活動の傍ら、芸能史研究にも力を入れ、「日本の放浪芸」「ものがたり芸能と社会」などを著した。
94年紫綬褒章。
長年、前立腺がんを患い、治療を続けていた。最近は症状が悪化し、ラジオ出演を見合わせていた。
[時事通信社]
ご冥福をお祈り申し上げます。
合掌